大きめで丸く太ったたまねぎが多いのは、それだけ土の状態がよい証拠。化学肥料に頼らずとも立派な農産物が穫れている。


- お話を伺った岡本さんの農場は、隣接する畑がなく、農薬などが飛散してくる心配がない自然に囲まれた場所だ。一面のたまねぎ畑はもう収穫を待つばかり。


岡本さんは代々続く農家の生まれ。以前は農業系の財団職員として、「これからの農家には作るだけでなく『企業』という考え方が必要」というのを現場で学んできた。その眼差しは未来を見据えていた。


現在は親子三代でたまねぎを中心に作っている。除草剤の使用は極力控えるので、草取りは家族総出の大変な作業だそう。


火山灰質の富良野の大地は、たまねぎに必要なリンが不足しがちな土地。その年の収穫が終わったらすぐに土壌検査をして、緑肥や不足している栄養素をすき込む。
- 化学肥料から有機質肥料に切り替えてからだいぶ経つが、年々農産物のできばえが安定してきたという。


収穫はハーベスターという大型機械で一気に。たまねぎについた葉を切りながらベルトコンベアで運ばれてくるのを、後部に乗った人が選別をする。広い面積の畑に合わせた効率的な収穫だ。


「種植えのときから納品先が見えているので、お客さんを意識するようになった」のが大きい変化だという。農薬や化学肥料を減らす分いろいろと手間ひまかかるが、「お客さんのニーズに応えるものを作っていきたい」と力強く応えてくれた。